ハングル、最初の一歩
どういう記事?
この記事は、よろずアドベントカレンダー11 日目の記事です。 ハングルをいつかは学びたいな~とぼんやりと考えていたものの、ちゃんと始めるまでに至っていなかったので、 このブログ記事を通じて、最初の一歩を踏み出してみようと思います。 記事の内容は主に自分がインターネットで調べた情報を再構築したものです。 誤っている点などがあれば、ご指摘いただけると嬉しいです(Hackers.pub の投稿にコメントをください)。
書いてから色々調べてたらなんか諸説ありそうです。とはいえ、国の機関が書いてるしな...みたいな気持ちです。そのぐらいの温度感で読んでください。
最初の一歩
ハングル(한글)は、人工的に開発された文字体系です。このブログでは、そのハングルの仕組みを理解することで暗記の助けとすることを目指します。一番最初のハングルである「訓民正音」が作成されたのは 1443 年の事ですが、舌の形を元に子音の記号を作るなど、天才の発想だと感じます。
ハングル(한글)の仕組み
ハングルは子音と母音を組み合わせて 1 つの文字を作ります。子音と母音の組み合わせは以下ようなパターンがあります。音+母音の下にさらに子音がくっ付くものを「パッチム」と呼びます。 具体的な文字としては、가や접、을みたいな感じです。
実際に文字を見て行く
最初に訓民正音が作られた時には、5 つの子音と 3 つの母音を基本音とした 28 字が作られました。 このうち 4 字は現在使用されておらず、現代でも使用されているのは 24 字になります。 順を追ってみていきましょう。
基本音
以下が基本となる 5 つの子音です。
| 子音 | 発音(イメージ) | 説明 |
|---|---|---|
| ㄱ | /k,g/ | 舌の根が喉を塞ぐ形。 |
| ㄴ | /n/ | 舌先が前歯の上歯ぐきに付いている形 |
| ㅁ | /m/ | 口を閉じている形 |
| ㅅ | /s/ | 歯の形 |
| ㅇ | 音を持たない |
それぞれの子音の発音場所のイメージは以下です。
母音は、口の形ではなく、天・地・人の三つの要素を用いて表現されます。
| 母音 | 発音(イメージ) | 説明 |
|---|---|---|
| ㆍ | 天。今はこの文字単体では用いられない | |
| ㅡ | /ɯ/ | 地のイメージ。口を横に開いて、u の発音をする |
| ㅣ | /i/ | 人のイメージ。日本語の「イ」と同じ音。英語の "see" の "ee"。 |
必要な文字の拡張
先ほど紹介した基本音 8 字を拡張し、さらに文字が作られました。この時も、ルールが決められており、
- 子音:画数を追加して新しい文字を作る(加画)
- 母音:基本字を組み合わせて新しい文字を作る(合字)
というルールで文字が作成されました。
子音の加画による文字の作成
基本字の 5 文字は弱い音と考えられており、加画で作成された文字は息を強く出す音となります。とはいえ、自分の耳では正直その違いがわかりませんでした。そのうちわかるようになるのでしょうか。
| 基本字 | 加画 | 加画 | 異字体 |
|---|---|---|---|
| ㄱ(k,g) | ㅋ(k') | ||
| ㄴ(n) | ㄷ(t,d) | ㅌ(t') | ㄹ(r,l) |
| ㅁ(m) | ㅂ(p,b) | ㅍ(p') | |
| ㅅ(s) | ㅈ(ch,j') | ㅊ(ch') | |
| ㅇ(発音無し,ng) | ㅎ(h') |
上記までで現代ハングルで使用されている 14 の子音の文字が出そろいました。 (現代では、さらに子音として、訓民正音に含まれていない文字も使用されています。それは後ほど出てきます)
母音の合字による文字の作成
アレア(ㆍ)を人(ㅣ)と地(ㅡ)それぞれの左右につけて、以下の 4 文字が作成されました。
| 基本字 | 合字 | 発音 |
|---|---|---|
| ㆍ+ㅣ | ㅓ | /ʌ/ |
| ㅣ+ㆍ | ㅏ | /a/ |
| ㆍ+ㅡ | ㅗ | /o/ |
| ㅡ+ㆍ | ㅜ | /u/ |
さらに、アレアを 2 つにした 4 つ母音も作られました。これは英語の y の音が付きます(発音記号で言うと j です)
| 合字 | 発音 |
|---|---|
| ㅕ | /jʌ/ |
| ㅑ | /ja/ |
| ㅛ | /jo/ |
| ㅠ | /ju/ |
この時、アレアが右または上に来ているものを 陽性母音、左または下に来ているものを 陰性母音 と呼びます(天が上にあるか下にあるかで、陰陽が決まるのでわかりやすいですね)。 この概念は後ほど出てきます。
さて、これまでで、全部で 14 の子音と 10 の母音が出てきました。以上が訓民正音のうち、現代でも使用されている 24 文字です。
以下では、現代で使用されている、上記に含まれていない文字を 2 種類(合成字母・合成母音)見て行きます。
合成字母
「合成字母」というのは日本語のハングルの wikipedia から引っ張ってきた単語で正式な名前はわかりませんが、子音を 2 つ繋げて作られた文字です。合成字母の方が音がさらに強いという事みたいです。これもあんまり聞いても良くわかりませんでした(言い方の違いでは...?みたいな...)
| 基本音 | 合成字母 | 合成字母 |
|---|---|---|
| ㄱ(k,g) | ㄲ(k') | |
| ㄷ(t, d) | ㄸ(t') | |
| ㅂ(p, b) | ㅃ(p') | |
| ㅅ(s) | ㅆ(ch, j') | ㅉ(ch') |
合成母音
これは 2 つの母音を繋げて作られた 11 文字です。基本的には、左から右に母音を読んで繋げて読んだ音になっています。この時、陽性母音は陽性母音と、陰性母音は陰性母音としか合体しません(ㅣのみどちらとも合体します)。
一部の合成母音は、あまり直感的ではありませんが、それは自然言語の特性上仕方がないので、覚えるしか無いですね。
暗記カード
ここまで出てきた文字(子音 19 字、母音 21 字)を自分が覚えるために作成した暗記カードです。